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TDMの考え方

なぜ同じ量を投与してもひとりひとりの血液中の薬の濃度はちがうのでしょうか

図4 体の中での薬の運命

図4、図5を見て下さい。経口投与の場合、薬はまず胃腸から吸収されなくては、体の中に入っていかないのです。吸収された後、血液の中に運ばれ、目的の部位に到達して薬理効果が発揮されます。ここで吸収される割合(吸収率)が、人によってちがいがあると、当然血中濃度にちがいが生じてきます。

静脈注射(静注)の場合では、投与量の全てが血液中に入るので、吸収という点では人による差はありません。しかし、静注の場合でも、同じ量を投与しても薬物の血中濃度は人によってちがいが生じています。

図5 経口投与と静注・舌下投与の違い

血液中に入った薬は、体全体に分布されますが、この分布される過程にも個人差があります。 体の大きさのちがいは当然分布状況に影響を及ぼし、又、血液中のタンパクも実は大きな影響を及ぼす要因なのです。他の薬をいっしょに投与している時も、この分布に影響を及ぼします。

血液中に入った薬物は、肝臓に運ばれ、そこで変化を受けて他の物質にかわります。このことを代謝を受けると呼んでいます。

一般的には、代謝を受けると薬効は失われますが、代謝を受けても薬効が消失しないものもあります。又、代謝を全く受けない薬もあります。肝臓で代謝を受ける薬の場合に肝機能が悪いと、いつまでも代謝されにくく、そのままの姿でいつまでも体の中に残っていることになります。当然、薬物の血中濃度は肝機能が正常な人より高くなるので投与量を少なめにする必要があります。

薬は最終的には、体の外に排泄されます。主に薬は腎から排泄されます。したがって腎機能が低下している患者さんでは、薬は排泄されにくく体の中に蓄積されるので、血中濃度は高くなります。

特に肝臓で代謝を受けない薬は、腎機能が薬の血中濃度を左右する大きな要因となります。